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地中海に面するバニュルス・シュル・メールで生れる。
カタロニア語を話す地方であるが、
カタロニア語でmaillolは若い葡萄の木の事を指す。
その名のとおり、マイヨール家は代々ワイン醸造所を営む家系で、
今でもマイヨールブランドのワインは市場に出回っている。

初めは画家を志し、パリに出て、パリ国立美術学校、
ジャン・ポール・ローランのアトリエで学ぶ。

サロンにも出品していたが、サロンの審査基準を疑問視し、
かの有名なアンデパンダン展にも
第1回目の1884年から出品している。

アンデパンダン展とは
今では誰でも自由に参加できる無審査、無賞の展覧会の総称だが、
起源はこのサロン・デ・アンデパンダンである。
くだらない権威主義で凝り固まった審査員の無能さを暴露し、
審査員が国家などの予算の無駄使いを糾弾するもので
前衛芸術の金字塔となった。

このころ 描かれたのが「パラソルを持つ娘」で、
後の彫刻作品に通じる甘美で堂々たる量感と
確かなデッサン力が映える名作である。

33歳、ゴーギャンを知り、ナビ派と交わる。
このころからタピスリーを試み、陶器、彫刻も始める。

しかしタピスリーの製作中、
目を患って一時はほとんど見えなくなってしまう。
目の回復とともに彼が目覚めたのは彫刻の世界だった。

40歳で彫刻に専心。

発表された作品は裸婦や女性像がほとんどであるが、
古代ギリシャの情趣を醸しだすかのような
優美さと生命力にあふれる造形は
彼のことばにあるように、
「自然とは調和以外のなにものでもない」
という観念を実現するものだった。

代表作は『地中海』(41〜44歳)で
自然や大地の豊穣を称えるかのような
純情で素朴、単純でヴォリュームのある女性像は
高い技術に支えられ、滑らかな表面処理を施されて
まるで本物の人間の肌のような 繊細な優雅さもあわせ持ち
地中海を思わせる静かな調和をもつ名作である。

この作品で彼の名声は決定的なものとなり、
ロダン・ブルーデルと並び近代の3大彫刻家と評されるようになる。

彼の作品はパリにあるマイヨール美術館で見ることができる。
この美術館は 彼が15歳のときに見出してから以降
10年間にわたって彼の最後のモデルをつとめたディナ・ヴィエルニーが
オープンした美術館で、その建物となった18世紀の瀟洒な館も
彼女の所有である。


Nus
Femme a l'Ombrelle
 
Nus
Femme a l'Ombrelle
(パラソルを持つ娘)